総務部sawaの生活防衛実践記

総務部歴20年で培った「制度を正しく活用する知識」と「その実践の記録」を発信しています。

高校生のバイト代にも税金が!?親の扶養を外れない「103万円の壁」の正しい計算方法

毎日のお弁当作りに部活の朝練のサポート、そしてお仕事、本当にお疲れ様です。企業の総務部門で約20年、法改正の荒波を実務で乗り越え、従業員の税金や社会保険を計算し続けてきたプロフェッショナル、sawa(サワ)です。

高校生になると、「自分のお小遣いは自分で稼ぎたい!」とアルバイトを始めるお子さんも多いですよね。我が家の長女(12歳)も、まだ中学生にもなっていないのに「高校生になったらカフェでバイトするんだ〜」と今から夢を膨らませています。親としてはその自立心を応援したい反面、頭をよぎるのが「働きすぎて税金がかかったり、親の扶養から外れたりしないかしら?」という不安ではないでしょうか。

今回は、ニュースでもよく耳にする「103万円の壁」の本当の意味と、もし壁を超えてしまった時に家計に襲いかかる「恐ろしいペナルティ」について、総務の視点から分かりやすく、かつ具体的な数字で解説します。

 

 

「103万円の壁」の正体と、超えた時の家計への大ダメージ

「103万円の壁」とは、ズバリ「お子さん自身に所得税がかかるかどうかの境界線」であり、同時に「親の税金が安くなる特例(扶養控除)が使えるかどうかの境界線」です。

アルバイトの給与収入が年間(1月〜12月)で103万円を超えると、お子さん自身の給料から「所得税」が引かれるようになります。しかし、本当に怖いのはそこではありません。お子さんの年収が103万円を1円でも超えると、親の税金計算で使えていた「扶養控除(お子さんが16歳以上19歳未満の場合は38万円)」が外されてしまうのです。

親の所得にもよりますが、この控除が外れることで、親の所得税と住民税が合わせて【年間約5万円〜11万円ほど跳ね上がる】可能性があります。お子さんが数万円多く稼いだせいで、親の税金がそれ以上に増えてしまっては、世帯全体で見ると完全に「赤字」ですよね。これが感情論ではなく、数字で見る生活防衛のリアルです。

月いくらまで働ける?交通費の罠に要注意!

では、具体的にどう管理すればいいのでしょうか。103万円を12ヶ月で割ると、1ヶ月あたり【約8万5,800円】です。お子さんには「お給料は月8万5,000円以内におさめるようにシフトを組んでね」と伝えてください。

ここで総務から1点、重要な注意喚起です。所得税の計算(103万円の壁)においては、原則として「通勤交通費(非課税枠内)」は年収に含めなくてOKです。しかし!社会保険の扶養基準(106万円・130万円の壁)を計算する際には「交通費も含めて計算する」という非常にややこしいルールがあります。お子さんが遠くのバイト先に通う場合は、交通費の扱いにも十分気をつけてください。

【sawaの実体験・所感】

私は1円単位で家計簿をつけ、教育資金や老後資金のシミュレーションを行っている根っからの総務人間です。そのため、長女が「高校生になったらバイトしたい」と言い出した時、すかさずExcelを開き、「月8万5,000円を超えるとパパの税金がこれだけ増えて、我が家の教育資金計画が狂う」というシミュレーション画面を見せました。長女は少しドン引きしていましたが(笑)、親が本気で数字の管理をしている姿勢を見せることで、「自分の稼ぎは家族全体の家計にも繋がっているんだ」という意識を持ってもらう良いキッカケになったと感じています。

お子さんがアルバイトを始める前に、ぜひ親子で「103万円の壁」について話し合ってみてください。「親の税金が増えるから気をつけて」と正直に伝えることは、立派な金融教育です。

次回は、お給料から引かれる「税金」の使い道と、日本を支える仕組みについて、さらに踏み込んで解説します。お楽しみに!

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