毎日のお仕事、そして終わりのない家事と育児、本当にお疲れ様です。企業の総務部門で約20年勤務し、毎月の給与計算で従業員の税金や社会保険料を1円単位で計算し続けてきたプロフェッショナル、sawa(サワ)です。プライベートでは妻と3人の子(長女12歳、次女6歳、長男4歳)の5人家族で、1円単位でシビアな家計簿をつけています。
40代向け「ガチの生活防衛術」シリーズ第3弾。今回は、サラリーマンの給与明細で最も重くのしかかる「アレ」について、総務担当者だけが知っている合法的なハック術をお伝えします。 そのテーマとはズバリ、「社会保険料(健康保険・厚生年金)を抑える仕組み」です。
所得税や住民税は、生命保険料控除やiDeCo、住宅ローン控除などで「節税」する手段がいくつか用意されています。しかし、社会保険料にはそのような「控除」という概念がありません。「社会保険料の節約は無理だ」と諦めている方が大半ですが、実は給与計算の裏側(ルール)を知ることで、合法的に手取りを守る「防衛線」を張ることができるのです。
■ 総務の常識!運命を分ける「4月・5月・6月」の給料
社会保険料は、毎月の給料が変動するたびに計算し直されるわけではありません。実は、1年に1回だけ「この先1年間の社会保険料」を決めるタイミングがあります。 これを総務の専門用語で「定時決定(算定基礎届)」と呼びます。
この定時決定で基準になるのが、「4月、5月、6月に実際に支払われた給与の平均額(標準報酬月額)」です。 つまり、この3ヶ月間の給料が高ければ高いほど、その年の9月から翌年8月までの1年間、ずっと高い社会保険料を天引きされ続けることになります。
■ 1円単位のシミュレーション:春の残業は「大赤字」!?
このルールを知らないと、どれほどの悲劇が起きるのか。1円単位のシミュレーションで見てみましょう。
基本給が30万円の40代会社員(東京都在住・介護保険第2号被保険者)のケースです。
【パターンA:春に残業を全くしなかった場合】
4〜6月の平均給与が30万円の場合、等級は「22等級(標準報酬月額30万円)」。 毎月の社会保険料(健保+年金+雇用保険等)は、約45,400円です。
【パターンB:春だけ頑張って月3万円の残業をした場合】
4〜6月の平均給与が33万円になってしまった場合、等級が「24等級(標準報酬月額34万円)」に跳ね上がります。 毎月の社会保険料は、約51,500円になります。
その差額は月額約6,100円。これが「1年間(12ヶ月)」続きます。 つまり、春に少し残業代を稼いだばかりに、年間で約73,200円も社会保険料が高くなってしまうのです。
もし秋や冬に残業がゼロになったとしても、社会保険料は高いまま。これは家計の経営者として、あまりにも痛い「見えない損失」です。
■ 親のミッション:春は定時退社を死守せよ!
総務部員から皆さんへ、最大の生活防衛アドバイスです。 「3月、4月、5月に働いた分の残業(※4、5、6月支給の給与)は、徹底的にコントロールしてください」。
繁忙期でどうしても避けられない場合を除き、この期間は「絶対に定時で帰る月間」と心に決めましょう。業務を前倒しする、あるいは秋以降に回せる仕事は回すなど、タイムマネジメント(業務効率化)を極限まで高めるのです。
社会のルールは「知っている人」だけが得をし、「知らない人」が損をするようにできています。会社に搾取されず、手取りを最大化して家族の未来(教育資金やNISAへの投資元本)を守り抜く。これこそが、総務の知識を活用した最強の生活防衛術です!
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