こんにちは、総務部のsawa(サワ)です。
シリーズ第2回となる今回のテーマは、「AIができること・人間にしかできないことの徹底解剖」です。
「私の仕事、本当にAIに奪われない?」という不安を解消するには、敵(AI)の得意技と、自分(人間)の固有価値を正しく知ることが最初の一歩になります。総務の視点から言わせていただくと、この見極めを誤ることは、企業の経営戦略で言えば「勝てない市場に大金を投資する」のと同じくらい致命的です。
今回は、曖昧な精神論を一切排除し、実務とコストの視点から「AIに代替されるスキル」の正体をシビアに解剖していきます。
■ AIの得意技:過去のデータの「平均値」と「最適化」
まず、AIが圧倒的に得意とする領域を整理しましょう。一言で言えば、それは「すでにあるルールとデータに基づいた、処理・予測・要約」です。
総務の現場を例に出すと、以下のような業務はAIの独壇場です。
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過去数年分の経費データを分析し、来期の予算推移を予測する
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何百ページもある複雑な労働法改正の通達を、実務チェックリストに要約する
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社員から毎日届く「有給休暇の手続きはどうやるの?」といったFAQに自動応答する
これらはすべて、過去の「正解パターン」が世の中に存在している業務です。AIは、人間が一生かけても読み切れない量のデータを一瞬で学習し、その中から最も確率の高い「平均値」や「最適パターン」を導き出す天才です。
もしあなたのアピールポイントが「社内規程を誰よりも暗記していること」や「エクセルの関数を組むスピードが速いこと」だとしたら、非常に危険です。それらの知識やスピードの価値は、AIの登場によって文字通り「一瞬でゼロ」にリセットされてしまったからです。
■ 人間にしかできないこと:「ゼロから問いを立てる」と「リスクを背負う」
では、AIに絶対できない、私たち人間にしかできない領域とは何でしょうか? 私は実務の中で、次の3つに集約されると考えています。
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「なぜ?」という問いを、ゼロから立てること(課題設定力) AIは与えられた問いに対して最高の答えを出せますが、「そもそも、この社内ルールって本当に必要なんだっけ?」という疑念を自ら抱くことはありません。問題が起きていない場所に、自らの意思で「課題」を見つけ出す力。これは人間にしかありません。
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感情の裏にある「本音」を汲み取ること(共感と交渉) 総務の仕事をしていると、社員から規程に反する無理な要望を言われることがあります。AIなら「規程違反のため却下」と1秒で突っぱねるでしょう。しかし、人間は「なぜこの人はこんなに怒っているのか? 背景にどんな不満があるのか?」を察知し、ルールを守りつつも相手の面目を保つ「落としどころ」を交渉で着地させることができます。
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不確実な未来に対して、自らの意思で「決断し、責任を負う」こと AIは「成功確率70%」というデータを出せますが、「よし、今回は30%のリスクを取ってでも、この新しいシステムを導入しよう!」と決断することはできません。なぜなら、AIは失敗しても責任を取れないからです。最後にリスクの泥をかぶり、責任を背負う覚悟。これこそが「意思」の本質です。
■ 総務の現場で起きた、AIと人間のコンビネーション
私の部署で、社内の「DX推進プロジェクト」を立ち上げた際の実例をお話しします。
新しい勤怠管理システムを導入するにあたり、AIを使って「他社の導入成功事例」や「想定されるトラブルの要約」を徹底的に洗い出させました。人間がやれば数週間かかるリサーチが、AIのおかげでわずか数時間で完了したのです。ここまではAIの「作業」です。
しかし、そこからが人間の「仕事」でした。 データを見た私は、「他社はスムーズに移行できているが、我が社の40代以上のベテラン社員層はスマホ操作に強い抵抗感があるはずだ。マニュアルを配るだけでは絶対に頓挫する」という課題(問い)を立てました。
そこで、私の意思で「各部署のキーマンを巻き込んだアナログな説明会を全国で行う」という、一見非効率な戦略を決断したのです。結果、社内は大混乱することなく、無事にシステム移行に成功しました。
リサーチやデータ最適化はAIに全振りし、自社の人間関係や泥臭い感情を予測して「決断」は人間が行う。これからの時代に稼ぎ続ける人的資本とは、このようにAIを「最高のアシスタント」として使いこなせる人のことです。
■ 親のミッション:子どもの「なぜ?」を絶対に潰さない
この「人間にしかできない能力」は、学校のテストで100点を取るための暗記教育からは生まれません。だからこそ、家庭でのキャリア教育が重要になります。
我が家では、子どもたちが「なんで雨が降るの?」「なんでパパはお仕事に行くの?」と聞いてきたとき、絶対に「後でね」と流したり、スマホで検索した答えをそのまま与えたりしません。 「なんでだと思う? 一緒に考えてみようか」と、まずは子ども自身に問いを立てさせ、考えを巡らせる余白を作っています。
指示された作業を正確にこなすだけの「お利口さん」は、真っ先にAIに淘汰されます。これからの時代を生き抜くために必要なのは、自分の頭で「なぜ?」と考え、自走できる力です。
大人の世界でも同じです。明日、職場に行ったら、いつものルーティン業務に対して「そもそも、これは何のためにやっているのか?」という問いを、あなたの意思で1つだけ立ててみてください。その小さな「意思」の積み重ねが、20年先も会社に依存せず、自分の足で立ち続けるための最強の人的資本防衛になります。
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